嬉しいやらドキドキやらで、石のように固まってしまった。
どうしたものかと、わなわな指を動かしていると、頭上から香月さんの声が。
「大丈夫……ありがとう」
「い、いえ……それなら、良かったです」
安心した。大事なスノードームが壊れなくて――
「怪我してませんか?痛いとことか」
「大丈夫で……す」
そうだ、今顔あげるんじゃなかった。
近いっ!
「わ、わたし今日は帰りますね!お仕事の話は今日ゆっくり考えてから明日にまた来ますので、よろしくお願いしますっ!」
早口で伝え立ち上がると、香月さんは心配そうにわたしを見る。
「送らなくて平気?」
「はい。大丈夫です。ありがとうございます」



