「俺……市川さんに惹かれてるんです」
「……え?」
今なんて――
目を丸くしたわたしを見て香月さんは照れまじりに口角をあげた。
「……カフェに来るたび、楽しそうに笑う姿を見て少しずつ惹かれていきました。だからつい目がいって、市川さんと目が合った時は笑ってごまかしてたんですっ」
そう、だったんだ――
最初は優しさからだったかもしれないけど……
香月さんが意識的に見ていてくれるようになってから目が合うと笑ってくれていたのは、見ているのを誤魔化すため――
笑ってくれる香月さんに小さな喜びを感じていたわたしにとって、凄く……
嬉しい。



