『そこまで給料は期待できませんが……』と、苦笑を浮かべる香月さん。
勿論わたしはまよいぼしカフェも、常連さんも、
香月さんも――好き。
一緒に働けたら、それはそれできっとまた違う楽しさが生まれると思う。
香月さんの提案にのれば進路という
最大の悩みの種が解決する。
けど――
「……ご提案ありがとうございます」
嬉しいのに、すぐには頷けなかった。
それでも香月さんは優しく微笑んでくれる。
「実はもうひとつ……というより、この理由が大きくて」
もうひとつの理由?
わたしが首を傾げると、香月さんは小さく息を吐いた。



