さっきまでのにぎやかさはなくなり、二人だけとなった。 わたしは、この時間も好き。 楽しく会話しながらお茶をするのも、 香月さんと二人なのも。 緊張するのに、どこか落ち着けるような。 香月さんの人柄のおかげだろうか。 カウンター越しに向き合うのも慣れた。 「どうですか……進路のこと」 香月さんはグラスを磨きながら、そういうとわたしは驚きを隠せなかった。 「……覚えてたんですか?初めて会った時に言ったこと」