バレー部の友人の、嘘か本当かわからない話に茶々を入れていると、さっきまでスマホをいじっていた帰宅部のクラスメイトが、あー、と気だるげな相槌を打った。


「あれ、ほんとだよ」


 そいつはスマホを置き、割り箸でコンビニのパスタサラダをかき混ぜながら言う。


「俺、前期図書委員だったけど、準備室は内側から鍵かけたら外からは開けらんないし、たまに図書委員の先輩が担当の曜日にあそこ篭って自習してたりするらしい」

「じゃあマジでヤれちゃう?」


 バレー部の男がすこし興奮ぎみに、帰宅部の男に問い詰める。

 視界の端っこで、ひとつの机を囲んでいる女子ふたりが視線をちらちらとこちらに向けるのがわかった。

 あなたたち、盗み聞きとは趣味悪いね。男子高校生の会話なんて正直こんなもんでしょ。それとも、おれたちの話に興味あったりする? だとしたら、大人しそうな見た目のくせに、むっつりなんだね、あなたたち。


「正直イケそうだけど、部外者は無理。準備室の鍵はその曜日の担当委員が毎回職員室から鍵借りるから。おまえ、変な想像すんなよ」

「なんだ、つまんねー」


 バレー部の男はすっかり興味をなくした様子で、もう一度ミルクティーを口に含んだ。

 そして次に口を開いたのは、この話をずっと黙って聞いていた、男バスの男。


「じゃあ零くんとか、夢見さんのこと連れ込んだりしてんのかねえ。ほら、アイツ図書委員じゃん」