しかしそれから3日経っても歩夢が目を覚ますことは無かった。退院した私は毎日病院へと通い、眠る歩ちゃんに声を掛ける。そんな私を見て看護師さんが悲しげに声を掛けてくれた。
「もうとっくに目を覚ましても良い頃なのにどうしたんですかね?先生も心配していましたけど」
「そうですね。歩夢はねぼすけだね」
そう言って歩夢の手を取るとその指先にキスを落とす。
すると「キャッ」と小さな悲鳴と共に顔を赤くした看護師さんが目に入った。それを見た私は口の前で人差し指を立て、看護師さんに向かってウインクする。すると看護師さんが更に顔を赤くしながらコクコクと頷きながら出て行った。
眠る歩夢を王子のように献身的に見守る愛花は病棟の名物となっていた。
「今日も凄かった!王子が……王子が尊すぎる!」
「昨日も凄かったよ。起きないとキスしちゃうよって!唇を指でなぞってるのとかやばいのよ!」
「ああ……早く姫起きないかな?起きたときの王子が見たい」
そんな話がナースステーションで話されていることに気づかない愛花は、今日も歩夢に話しかける。
「歩ちゃんが眠り続けて一週間が経ったよ。いい加減に起きなよ。まるで眠り姫だね」


