今日も世界は愛で満ちてるというのに私の世界に愛は無い~愛を知らない私は愛を乞う


「それでは手や膝についた砂を洗い流したら処置をしましょう」

 処置が終わる頃、警察がやって来た。事故の詳しい状況が知りたいと言われ、私は聞かれたことに答えていく。何とか言葉にしょうと口を開くが、涙が溢れ出し上手く言葉を紡ぐことが出来ない。それを見た看護師が、そっと私の背中を撫で警察官にこれ以上は無理です。と抗議をしてくれた。そこで警察も話は明日にしようといい、帰って行った。

「すみません。手術室の前に行くことは出来ますか?」

「大丈夫ですよ。案内しますね」

 手術室に着くと救命士さんがカバンを届けてけれた。気が動転していて自分がバックを持っていなかった事にも気がつかなかった。私はカバンからスマホを取り出し、歩ちゃんの会社に電話をして社長に連絡をお願いした。それから程なくして社長がやって来た。

「愛花さんだね。歩夢は?」

 そう社長が声を掛けてきたとき、手術室のランプが消え中から先生が出てきた。

「ご家族ですね。こちらでお話をするので付いてきて下さい」

 そう言われ私は家族では無いのでその場にとどまった。しかし、社長は私の方に視線を向け、一緒に来るように言ってくれた。私は社長と共に小さな部屋に通されると、先生からの説明を受けた。今回歩夢は車での事故により、頭を強く打ち脳内に血の塊が出来てしまったらしい。それを今の手術で取り除くことに成功したと、後は歩夢の回復を待つだけだと言われた。おそらく後遺症も無いだろうと言われ、私達は安堵し詰めていた息を吐き出した。

 良かった。

 そう思ったとき、私の身体がグラリと揺れた。

 気が緩んだのか私はその場で崩れ落ち、気を失ってしまった。