今日も世界は愛で満ちてるというのに私の世界に愛は無い~愛を知らない私は愛を乞う


「恋とか愛が分からなくったって、あんたが歩夢くんを好ましく思っていたことぐらい分かるわよ。毎週二人でやって来て、楽しく過ごせていたんだからそうなんでしょう?」

 全くその通りだった。

 流石は徹子ママだ。

 嬉しくなって私は徹子ママに飛びついた。

「やっぱり私を分かってくれるのは徹子ママだけ……あ、やっぱり違う。歩ちゃんの次に徹子ママだった」

「あんたね……。分かったんなら歩夢くんの所に行きなさいよ」

「え、無理!まだ心の準備が出来てない。どんな話をしたら良いか分からないから一緒に考えて」

「まったく仕方の無い子ね。だったら中に入りなさい」

 お店の中に促されて私達は作戦会議をした。そして素直に話をすることにした。自分は歩ちゃんを愛することは出来なくても好ましくは思っている事を素直に話そうと決意した。そんな私達の会話の一部を歩夢が見ていたことに、愛花は気づいていなかった。

 次の日、私は仕事が終わってから歩夢の家へと向かっていた。何度か来ているから迷うことは無くたどり着く。扉の前で大きく息を吸い込んで吐き出す。それからグッと両手に力を入れてからインターホンに手を伸ばした。インターホンを押そうとしている人差し指が震えている。これを押さなければ前には進めない。愛花はインターホンに触れていた指に力を入れてそれを押した。