今日の出来事を嬉しそうに話す涼花を、愛花は眩しい物を見るように見つめ羨ましく思った。
愛や恋はこんなにも人を変える。最近まで暗い顔をしていた涼花ちゃんの顔を、こんなにも輝くものに変える。それほど大きな力……それを私は感じることが出来ない。
ボーッと涼花ちゃんの話を聞いていると、聞いているのかと咎める声が聞こえてくる。ごめんと眉を寄せれば涼花ちゃんがフンッと鼻息を荒くした。
「もう、先生ってばボーッとしてどうしたの?悩み事?涼花に話してみて」
そう言われ私は目を丸くした。これではいつもと反対では無いか。
「涼花ちゃん、ここは君の話を聞く場所で私の話をする場所では無いんだよ」
「えー。良いじゃ無い。先生の話しも聞かせてよ。恋愛の話とか」
「恋愛……」
「そうそう。女子トークってやつ」
「…………」
「先生は付き合っている人とかいるの?」
「ああ……今は距離を置いている」
「ええ!どうして?好きじゃ無いの?」
「んん……そうだね。好き……では無い……かな」
「距離を置いているって事は、離れているだけで別れてはいないんだよね?」
「まあそうだね」
私は中学生に何の相談をしているんだろうと、苦笑いを見せる。すると涼花ちゃんが、サラッと言葉を吐いた。
「好きではないけど、好ましく思っている?」
好ましい……。
好むとは……それを気に入るとかそう言うことだろうか?


