僕はベッドから飛び起き、キッチンへと向かう。
「愛花……さん……」
しかしそこに立っていたのは……。
「あっ歩夢ぅ、起きたんだ?大丈夫ぅ?」
「よ、吉川さん……」
ふふふっと嬉しそうに笑う吉川は歩夢の前にやって来ておでこを触った。
「まだ熱があるね。もう少し寝てないとダメだよ。もう少しでご飯出来るから待っててね」
「いや、あの……そういうのは良いので」
「もう、病人置いて帰れるわけ無いでしょう」
くるりと背を向けた吉川はまたキッチンへと戻っていった。どうなっているんだと、唖然としていると、インターホンが鳴った。吉川はそれを聞き、物知り顔で玄関へと向かって行く。
何だその嬉しそうな顔は……。
「ちょっ、吉川さん」
吉川さんに僕の声は届かず、玄関の扉を開く。するとそこにいたのは恋い焦がれた人。
「愛花さん……」
何でこのタイミング。
愛花さんの目が吉川さんから僕に移る。それから何も言わずに、扉は閉められた。
ウソだろう。


