今日も世界は愛で満ちてるというのに私の世界に愛は無い~愛を知らない私は愛を乞う


 父さんはそんな愛花さんの姿が気に入ったらしく、にこやかに話し掛けている。どうやら食事の約束をしているようだ。僕たちを見た吉川さんは落胆し、塚田は驚愕の表情を見せていた。

 美しく格好いい愛花さんに連れられ、僕は会社の外に出た。

 手を引かれながら前を歩くこの人を見て、この人が好きだと再確認した。

 どうしようもないほど、この人が好きで好きで仕方が無い。

 気持ちの悪い僕の思いを、愛花さんが返すことが出来ないと知ったのはその後だった。

 アセクシャル?

「私は人を愛することが出来ないんだ。話して無くてごめんね」

 愛花さんは以前「愛を返せない」そう言っていた。それはアセクシャルだから?

 でもだからって何だって言うんだ。

 別にそれでもかまわない。

 愛花さんが愛せないなら、僕がその分愛してあげる。そう思っていたのに、日に日に愛花さんの顔が曇っていく。

 どうしてそんな顔をするんだろう。