今日も世界は愛で満ちてるというのに私の世界に愛は無い~愛を知らない私は愛を乞う


 そんな僕の首を愛花さんが引き寄せると、キスをしてきた。一瞬時間が止まったような気がした。その間に愛花さんの舌が僕の口の中に入ってくる。濃厚なキスは僕の脳を刺激する。愛花さんの行動は僕の体を幸福感でいつも満たしてくれた。だが今はこの状況に脳が追いつかない。ボーッとする僕の手を取り、愛花さんは「歩ちゃんがダメって言ってるから」と颯爽とその場を後にしようとした。しかしピタリと動きを止めると、レジの店員さんに向かって謝罪した。自分達のことだけでは無く、回りをきちんと見ている。こういう所が愛花さんの格好良さなんだよな。そう思った。それから愛花さんはにっこりと笑うと僕の指に自分の指を絡ませ、恋人つなぎにしてから外に出た。

 あいつらの顔、面白かったな、ポカンとしていて何も言い返せない感じだった。

 愛花さんの格好良さを見たかお前ら!

 そう言ってやりたかった。


 あの夜から一週間後、仕事が終わり会社のロービーへ行くと、大きな声が響き渡った。何やら騒ぎが起きているようで、大きな声のする方に人が集まっていた。

 その中心にいたのは……愛花さん?