愛花さんはそこらにいる人とは何かが違う、何かを持っている。神秘的で人を近づけない様な何かがあって……、自分は人が愛せないと一線を置いているつもりでいるが、一歩でも懐に入ってきた人間には何処までも甘い。だから人を引き寄せる。それが魅力的で……遠目に眺めている人達は良いのだが、空気の読めないバカは平気で一線を越えてくる。チャラい男や顔の良い男は特にその線を越えやすい。愛花さんはそんな男に見向きもしないのだが、それでも心配で仕方が無い。
「愛花さんが魅力的すぎて、心配だ……」
カウンターに顔を突っ伏していると、聞きなれた声が背後から聞こえてきた。
「何が心配だって?」
僕は突っ伏していた体を起こすと、勢いよく振り返った。
「愛花さん!今日は遅くなるんじゃ無かったんですか?」
「ん?そうだったんだけど、急いで仕事を終わりにしてきた。どうしてだと思う?」
どうしてって?
僕は答えが分からず、首を傾げた。


