それから数年後――――。
「ママー!見てみて!」
公園の遊具に上り、得意げにこちらに手を振る我が子を見ながら愛花も手を振った。そんな我が子を心配して追いかけているのは歩夢だ。
「望愛危ないことはしないで下さい」
「えー!これぐらい大丈夫だよパパ」
5歳になった娘、望愛は元気いっぱいに成長している。
私は娘に望む愛と書いて『のあ』と名付けた。
愛を求め続けた私と、愛することを求め、ストーカーにまでなってしまった歩夢……そんな私達の娘の名前ならこの名前しか無いと思った。それに、『のあ』って言う響きが単純に可愛いと思ったからこの名前に決めた。
私の可愛い望愛が、こちらに手を振っている。元気に笑顔を振りまくその姿に、自然と顔の筋肉が緩む。そんな元気すぎる我が子を追いかけて焦っている歩夢を見て、更に表情が緩んでしまう。
人を愛することの出来ない私が、こんなにも幸せな気持ちになれるなんて……。
世界はこんなにも愛に満ちている。
青い空を仰ぎ、私が幸せでいられる世界に感謝した。
FIN


