それから10時間が過ぎていた。なかなか子宮口が開かず、苦しむ私を歩夢が私以上に青い顔をしながら世話を焼いてくれていた。
「愛花さん、大丈夫ですか?喉渇きませんか?背中さすりましょうか?僕に出来ることはありませんか?」
何度もそう言いながら、眉を寄せる歩夢を見て、私は歩夢の頭を優しく撫でた。
「大丈夫だよ。そんなに心配しないで。助産師さんさん達が付いてくれているんだから」
私達を見た助産師さん達が、微笑ましい物を見るように笑いかけてくれる。
「仲が良くて良いわね。こんな両親から産まれてくる赤ちゃんは幸せね」
そう言われて二人で微笑み合った。
陣痛の間隔が少しずつ短くなり、3分おきになってくると、助産師達が慌ただしく動き出した。
「お母さん、もう少しですよ。もうすぐ赤ちゃんに会えますからね」


