「ママは何が不安なんですかね?言ってくれないと分からないですよね?ベビちゃんはママの気持ちが分かるんですか?」
ベビちゃんとは赤ちゃんの仮の名前だ。その名を呼びながら歩夢は私のお腹に優しく触れた。するとまるで歩夢の声に反応するように、お腹の赤ちゃん……ベビちゃんがお腹を蹴り上げた。
「ベビちゃんもママが心配ですか?」
ポコポコとまたお腹が蹴られる。
「愛花さん、ベビちゃんがママを心配しているようですよ。ベビちゃんはお腹の中にいてもママが大好きなんですね」
ベビちゃんが私を好き?
「この子は私を好きになってくれる?」
「当たり前じゃ無いですか?お腹にいる時からこんなにも愛花さんを心配しているんですよ。愛花さんの事を大好きに決まっているじゃ無いですか?」
歩夢が屈託の無い笑顔で私に笑いかけると、お腹が同意するようにポコポコと駆られる。
「ほら、僕の言うことが正解だとベビちゃんも言っているみたいですよ」
「そうなのかな?」
「そうですよ」
その時だった……腹部をグッと押されたような、今までに感じたことの無い痛みが襲ってきた。
「痛っ……っ……っ……!」
「えっ、愛花さん?」
歩夢に声を掛けられたがそれに答えられるにいると、不意に痛みが消えた。何だったのだろうかと思っていると、また痛みがやって来た。
これって……もしかして陣痛?!


