今日も世界は愛で満ちてるというのに私の世界に愛は無い~愛を知らない私は愛を乞う


「あっ、いけない。歩ちゃんが目覚めたんだから先生呼ばないと」

 私がナースコールに手を伸ばし、ボタンを押す。すると歩夢に抱きしめられた。

「ちょっと歩ちゃん!」

 その声にナースコールの向こうから慌ただしい音が聞こえてきた。これで看護師さんが来てくれるかな?何て思っているとすぐに看護師さん達がやって来た。そして抱きしめ合う私達を見て悲鳴を上げた。

「キャーー!姫が起きてる!」

「うそ!本当だ。尊い。目が喜んでる!」

 何やら騒がしい看護師さん達を押しのけて、先生が病室に入って来た。

「騒がしくてすみません。望月歩夢さんですね?気分はどうですか?」

「特に、変わりません。少し頭が痛いぐらいで」

「そうですね。頭の手術をしたので仕方ないですが、我慢できないようなら教えて下さい。痛み止めを出しますから。バイタルも安定していますし、今日はゆっくり休んで下さい」

 先生は看護師さん達を連れて、病室から出て行った。