外はもう暗く、今この場でも十秒に数個の流星を観測できた。
あと二時間もすれば、たくさんの流星が夜空を埋め尽くすだろう。
まさに幻想的。
ぼくが自宅前で夜空を見上げていると、誰かがぼくの頭を小突いた。
後ろを振り返ると、それは環奈だった。
すぐそばには茜もいた。
「しっかりなさい、翔。そんなにぼんやりとしていると、今に流れ星があなたを襲うわよ」
「え! 環奈ちゃん、それ本当? 流れ星って、実は怖いものなの?」
相変わらずの環奈と茜のコンビネーション、炸裂の巻。
しかし、今宵の環奈は大まじめだった。
「ええ、そうよ。今回の流れ星はね、わたしたちに牙をむくわ」
「……そっか。そうだよね」
茜はしゅんとしたようにうつむく――が、すぐに顔を上げた。
そして、
「だったら、わたしは立ち向かうよ」
と茜は元気よくうなずいた。
それを見たぼくと環奈も大きくうなずく。
そのとき、海堂さんの車と小暮先生の車の出発準備ができたらしく、ぼくらを呼ぶ声が聞こえた。
徹だ。
「お前たち、出発だ。
海堂さんの車にはな、おれや環奈や茜、詩織や勇人が乗り込む。
で、小暮先生の車だが、そこには翔や遙香やあいつ、天音さんが乗ることになった。
それでいいか?」
問題ない。
ぼくらがうなずくと、徹は「だったら早く乗れ」と若干ピリピリしたようにぼくらを急かした。
ぼくらはそそくさと自分が乗る車に乗った。
小暮先生の車は五人乗りの軽自動車で、ボディカラーはピンクだった。
なぜだろうか、ピンクの車とはいやらしい。
そんなぼくの考えを読み取ったのか、運転席に座る小暮先生は後ろを振り返り、後部座席に座るぼくをにらみつけた。
「いやらしいと思うから、いやらしいのですよ、大浦くん」
「……はい、先生」
すると、助手席に座る姉や後部座席に座る遙香さんや「彼女」は同時に吹き出した。
あ、笑った。
ぼくは「彼女」が笑ったことに安堵し、つい得意げになって「小暮先生、ピンクが好きなんですね。似つかわしくないと思うのは、ぼくだけでしょうか」と憎まれ口を叩いてしまった。
直後、車内は静まり返った。
ぼくはといえば、冷や汗が流れた。
そのとき、正面の海堂さんの車が軽いクラクションを鳴らしたかと思えば、ゆっくりと発進した。
それに合わせ、小暮先生も車を出した。
こうしてぼくらは奈蔵川河川敷を目指し、車で出発した。
そう、キセキを起こすために。
窮地に陥った「彼女」を救うために。
ぼくらは出発した。
あと二時間もすれば、たくさんの流星が夜空を埋め尽くすだろう。
まさに幻想的。
ぼくが自宅前で夜空を見上げていると、誰かがぼくの頭を小突いた。
後ろを振り返ると、それは環奈だった。
すぐそばには茜もいた。
「しっかりなさい、翔。そんなにぼんやりとしていると、今に流れ星があなたを襲うわよ」
「え! 環奈ちゃん、それ本当? 流れ星って、実は怖いものなの?」
相変わらずの環奈と茜のコンビネーション、炸裂の巻。
しかし、今宵の環奈は大まじめだった。
「ええ、そうよ。今回の流れ星はね、わたしたちに牙をむくわ」
「……そっか。そうだよね」
茜はしゅんとしたようにうつむく――が、すぐに顔を上げた。
そして、
「だったら、わたしは立ち向かうよ」
と茜は元気よくうなずいた。
それを見たぼくと環奈も大きくうなずく。
そのとき、海堂さんの車と小暮先生の車の出発準備ができたらしく、ぼくらを呼ぶ声が聞こえた。
徹だ。
「お前たち、出発だ。
海堂さんの車にはな、おれや環奈や茜、詩織や勇人が乗り込む。
で、小暮先生の車だが、そこには翔や遙香やあいつ、天音さんが乗ることになった。
それでいいか?」
問題ない。
ぼくらがうなずくと、徹は「だったら早く乗れ」と若干ピリピリしたようにぼくらを急かした。
ぼくらはそそくさと自分が乗る車に乗った。
小暮先生の車は五人乗りの軽自動車で、ボディカラーはピンクだった。
なぜだろうか、ピンクの車とはいやらしい。
そんなぼくの考えを読み取ったのか、運転席に座る小暮先生は後ろを振り返り、後部座席に座るぼくをにらみつけた。
「いやらしいと思うから、いやらしいのですよ、大浦くん」
「……はい、先生」
すると、助手席に座る姉や後部座席に座る遙香さんや「彼女」は同時に吹き出した。
あ、笑った。
ぼくは「彼女」が笑ったことに安堵し、つい得意げになって「小暮先生、ピンクが好きなんですね。似つかわしくないと思うのは、ぼくだけでしょうか」と憎まれ口を叩いてしまった。
直後、車内は静まり返った。
ぼくはといえば、冷や汗が流れた。
そのとき、正面の海堂さんの車が軽いクラクションを鳴らしたかと思えば、ゆっくりと発進した。
それに合わせ、小暮先生も車を出した。
こうしてぼくらは奈蔵川河川敷を目指し、車で出発した。
そう、キセキを起こすために。
窮地に陥った「彼女」を救うために。
ぼくらは出発した。
