闇の龍神様と癒しの神子

「空気読まずに申し訳ないのですが、神通力はどういう基準で現れるのでしょうか…その…霊力の強い雪愛に神通力がないのはおかしいなって思いまして」

雪愛から無意識で奪ったのではないのか?と思ってしまった。気を強く持とうとし雪愛に反抗してしまったのはまずかったのでは?と。自己評価が低いので自信がないウジウジな自分に嫌気がさす。


『神や天界に住む者は神通力が備わっているし、初代神子やムクとミクのように人工的に与えることはできるな』
「では私が雪愛に与えることはできるのでしょうか?」

『人間は無理だな。だが、お前は神通力が異常に高いから可能だ。俺様にくれた首飾りや葵の首輪はお前の神通力(きもち)が入ってただろ?…お前はあの妹に与えたいか?』


「渡したくありません。神通力も十六夜様も」

『ふ…嬉しいことを言ってくれる。人間の神通力は稀に現れるが、その人選は運だ。だから榛名は小娘に渡す必要ないし、榛名自身の力だ』

まだ自信がなくウジウジの榛名を見抜くように励まして自信を持たせようとしてくれたのだろう。

『運…つまり俺と榛名の運命の力に決まっている』

「十六夜様…」

榛名は顔と耳を赤らめ、十六夜は顎をクイッとしキスしょうとする。

そんな甘々な雰囲気の2人に光希と七宝は居心地悪くなり、退散でもしょうかと考えていると、甘々な雰囲気をぶち壊すようにムクとミクは口を出す

「"俺にはヤエだけしか愛すつもりはない”って言ってハルナ様を傷つけたクセに調子良いですぅ!」
「そうなの!」

『…お前らなぁ〜』

「痛いですぅぅ!」
「きゃうぅぅなの〜」
十六夜はムクとミクの頭をグリグリした。


「ムクちゃんとミクちゃん…可哀想だけど可愛らしいですわ」
光希はキュンとしていた。