サイン会場には、熱気を帯びた空気が渦巻いていた。
机の前に座る私のもとへ、ひとりの少女が駆け寄ってくる。
「愛ちゃん!愛ちゃん大好きです。応援しています!」
両手を差し出され、私は自然と微笑みを浮かべて握手した。
「ありがとう」
少女の目は涙ぐんでいて、まっすぐに私を見つめている。
「永遠に好きでいるからね」
永遠――。
その言葉に、私の胸は一瞬、鋭い痛みに貫かれた。
笑顔を作ろうとしても、口元は引きつってしまう。
「う、うん……あ、ありがとう」
苦笑いを浮かべるしかなかった。
心の中で呟く。
永遠なんてものは、本当にあるのだろうか。いや、ない。
この子も、いつか私を好きじゃなくなる。そうに決まっている。
――私は、人を信じることをやめた。あの時から。
今から3年前。
「俺、愛のこと、愛してる」
彼は、確かにそう言ってベッドの上で、私の頬に触れた。
「私も」
言葉を返すと同時に、唇が重なった。
——愛というものは、一生続く。この時は本気でそう信じていた…
『人気男性アイドルグループdanger15の大和さんが覚醒剤取締法違反で逮捕されました。交際相手であるまなみさんと一緒に使用していたそうです』
「俺、愛のこと愛してる」
そう言ってくれたはずの彼は、突然私の目の前から姿を消した。
私は、言葉を失い、その場で呆然と立ち尽くすしかなかった。
……
「はっ」
ベッドの上で跳ね起きる。荒い呼吸が胸を揺らした。夢だったのか。
あの日の光景が、鮮明すぎて今も離れない。
——私はもう、恋愛などしない。信じても裏切られるだけ。
信じられるのは、音楽だけ。今も、昔も。
机の前に座る私のもとへ、ひとりの少女が駆け寄ってくる。
「愛ちゃん!愛ちゃん大好きです。応援しています!」
両手を差し出され、私は自然と微笑みを浮かべて握手した。
「ありがとう」
少女の目は涙ぐんでいて、まっすぐに私を見つめている。
「永遠に好きでいるからね」
永遠――。
その言葉に、私の胸は一瞬、鋭い痛みに貫かれた。
笑顔を作ろうとしても、口元は引きつってしまう。
「う、うん……あ、ありがとう」
苦笑いを浮かべるしかなかった。
心の中で呟く。
永遠なんてものは、本当にあるのだろうか。いや、ない。
この子も、いつか私を好きじゃなくなる。そうに決まっている。
――私は、人を信じることをやめた。あの時から。
今から3年前。
「俺、愛のこと、愛してる」
彼は、確かにそう言ってベッドの上で、私の頬に触れた。
「私も」
言葉を返すと同時に、唇が重なった。
——愛というものは、一生続く。この時は本気でそう信じていた…
『人気男性アイドルグループdanger15の大和さんが覚醒剤取締法違反で逮捕されました。交際相手であるまなみさんと一緒に使用していたそうです』
「俺、愛のこと愛してる」
そう言ってくれたはずの彼は、突然私の目の前から姿を消した。
私は、言葉を失い、その場で呆然と立ち尽くすしかなかった。
……
「はっ」
ベッドの上で跳ね起きる。荒い呼吸が胸を揺らした。夢だったのか。
あの日の光景が、鮮明すぎて今も離れない。
——私はもう、恋愛などしない。信じても裏切られるだけ。
信じられるのは、音楽だけ。今も、昔も。



