「私でいいんですか?」 不安げに聞いた私に 「もちろん。早苗ちゃんがいいな。俺も。」 と笑顔で答えてくれた。 私は真っ赤になった顔を隠すようにうつむいた。 「じゃぁ、俺はもういくね?次移動教室なんだ。」 「はぃ。ありがとうございました。」 頭を下げてあげたときには佐藤先輩の背中は遠くにあった。 冬の冷たい風がわたしの頬を優しく冷やしてくれた。