「おはよう、みはる」
「…おはようございます、廉くん」
午前8時、学校の広場にある噴水前。
後期生徒会の顔合わせ日である今日、私たちはまるで生徒会長と副会長、そんな関係だけのように挨拶を交わした。
…もちろん、2人とも皮肉たっぷりの笑顔を浮かべて。
そして、
「私は下の名前で呼んでいいなんて言った覚えはありませんが?」
彼にだけ聞こえるように小声で囁く。
「一応お前、俺の彼女なんだし当たり前だろ。お前だって乗って“廉くん”とか言ってきたくせに」
そうすると、ご丁寧に鼻で笑われながらそう返される。
…くっ、返す言葉が見つからない
いつも、なぜか私の上には宇佐美廉がいる気がして。はあ、ほんとムカつく!

