「はぁーっ」
さっきよりも深いため息をつく。
何ため息なんてついてんだよと思っていると急に右頬に痛みが走った。
結構強く、その衝撃で床に尻もちをつく。
殴られた…?
理解するのには時間がかかった。
「おいっなんで殴って……」
意味がわからない。
俺がイラつく態度をとっていたのかもしれない。
そう思っていると殴ったであろう悠希が座り込んでいる俺と目線を合わせ、胸ぐらを掴んできた。
「お前はほんっとうに何もわかってねぇーな」
あっやばっ怒ってる……っ
普通の人ならこんな事で殴るのかよと思うだろうがこいは自分がイラっとくるとすぐに手が出る。
本当、すぐに。
「大事なんだろ、時雨さんの事が、だったら自分の存在が彼女を締め付けねぇようにもっと周り見ろよっ」
「好きなんだろ!」
「っ……」
そう、俺はあいつの事が好きだ。
本当すぐ手が出る悠希だが、これはこいつが合っている。
「好きだよっ好きだからそばに居て欲しいんだよっ」
「だったら、まず第一に時雨さんを大事にしろ。お前の考えだけで動けば必ず彼女を傷つける事になるぞ」
俺はそばにいて欲しいからあの時に拒絶された事が結構こたえた。
だけど、目を合わせて喋ってくれなくなる方がもっと嫌だっ。
「わかった……」
俺はあいつともう一度話すために重い腰をあげ、片足に手を置きながら立ち上がる。
「謝ってくる……」
「行ってこい」
殴られて頭が冷えた。
まだ、ジンジン痛む頬をさすりながら歩き出す。
頭の中であいつに謝る言葉を考えながら生徒会室を出た。
「大丈夫かな?」
「あいつなら行けるだろ」
2人が見守ってくれているとも知らずに–––。



