私が連れてかれたのはどこかの空き教室。
「ちょっとっ」
後ろから手首を引っ張られた為、誰が私を連れて行ったのかわからなかった。
だから思いっきり手首を振り解き、後ろを振り向く。
「秋、君……」
私の手首を掴んでいたのは秋君だったのだ。
「お前さ、なんで俺の教室に来てんだよ」
怒ってる?
「いやっだって教室隣だし」
「はぁ?隣だったら何だよ」
いつもと全く違う秋君にどう対応したらいいかわからなくなる。
「いやっだから、その……」
お弁当を渡しに行ったなんてバレたらなんだか恥ずかしい……。
「はぁー、もういいわ」
「えっ」
「お前が言ったんだろ俺とは近づかないって」
「あっ」
そうだ、私が言ったんだ。
私は私を守る為に秋君を傷つけたんだ……。
スタスタと歩いていく秋君を見つめながら私の視界が潤んだ。
仕方ないじゃん。私が悪いんだもん……
そうなのに、なんでこんなにも心が苦しいの
私は1人になった空き教室の真ん中でしゃがみこみながら声を殺して泣いた。



