走って走って、気が付けば全くわからない場所に来ていた。
ここどこ?
別館なら全部わかってるのになぁ。
本館はもう二年生になってるって言うのにわからない場所のが多い。
周りをキョロキョロと見渡すと一つのドアを発見。
あそこはどこだろう?
少し期待を抱き、ドアを開ける。
「うわぁ〜」
ドアを開くとそこは屋上だった。
屋上だっ
じゃあ私知らぬまに階段を何階も上がってたんだよね?
恥ずかしい……っ
ま、まぁここに辿り着けたしいいとしよっ!
もう二年生にもなるというのに場所がわからないとなれば結構恥ずかしい。
だからその恥ずかしさを紛らわすように屋上に来た事だけを頭の中に詰め込んだ。
屋上なんて初めて来たなぁ。
つい楽しくなり鼻歌まじりに屋上を探索をする。
すると、ガサガサッという音がし、不審に思いながらも音のした方に行ってみると1人の女の子が座っていた。
その手にはパンが握られている。
「あの……」
少し奥手になりながら座っている女の子に話しかける。
「えっ……!?」
あれっこの子見た事あるような……
その子は少し茶色い髪を両方でおさげにしているメガネの女の子だった。
どこかで見たような、見てないような……
一人で頭の中を巡らせているとあのっという高い声が聞こえた。
「あのっこの事は誰にも言わないでいただけませんか……?」
彼女は座っていたから自然と上目遣いになっていた。
か、可愛いっ
なんだろう小動物みたいっ
彼女は本気なのだろうが、私には可愛く見えてしまいつい頬が綻ぶ。
「大丈夫よこの事は誰にも言わないわ」
私がそう言うとにっこり笑った彼女。
本当可愛いっりすみたい。
にっこり笑う彼女は中学生のように見える。
「ありがとうございますっ!」
この子を見てるとなんだか私まで口角が上がってくる。



