少し歩くとすぐに職員室前を通り過ぎ下駄箱付近へと突入した。
「あれっ秋柚弦君じゃない!?」
「えっ!どこどこ?」
「やばっイケメン…」
「朝からビジュいいってどういう事っ?」
案の定、人目につくところに出ると黄色い声が上がった。
「あの隣の人誰?」
ギクッ
距離は取ってるつもりだが、やっぱり横を歩いているのは変わりないから自然と視線が集まる。
「ただ通りかかった人じゃない?」
なんとか勘違いしてくれ、ほっと安堵の息を小さく吐いた。
それにしても……秋君本当にガン無視してる……
ここまでくると流石にすごいなぁ……
歩いてる時に黄色い声が上がるだけでもすごいのに、秋君の対応にも関心を示した。
「やっぱうぜぇな、お前もそう思うだろ?」
「えっ?」
私の左にいたはずの秋君が急に私の方に距離を詰めて話しかけくる。
そ、そんな事したら……
「あれっさっきの子じゃない?」
「やっぱり何かあるのかな?」
ほらっ……
だから嫌だったのにっ
私は秋君の質問に答えずに走って行ってしまった。
ごめんなさい
「おいっどこ行くんだよっ」
秋君の声が背後から聞こえながらも私は走り続けた。



