最後の一通を下駄箱の上履きの上におく。
よし、今日の仕事は終わり〜お疲れ様でした!!私
じゃあ帰ろー
そう思いた回れ右をして帰ろうとするとどこからか声がした。
「やっぱり、お前だったんだな」
たった一言。だけどはっきりと聞こえた。
反射的に振り返るとそこには一人の男の人が立っていた。
あっこの人知ってる……
私が見ただけでわかる人物。
いやっこの学校の生徒なら全員が知っているだろう。
なんたってこの人は超絶イケメンだから。
綺麗な切れ長の目。
透き通るような鼻筋。
赤ちゃんのように綺麗な肌。
ものすごい長い脚。
全てが整っているこの人は、秋柚弦。
私と同学年の二年生。
どうしてこんな人がここに?
私は混乱からピタリっと固まってしまった。
さっきお前だったんだなって言ってたけど……
まるで待ち伏せしていたようなタイミング出てきていたし。
警戒心からかものすごくこの人を睨みつけてしまう。
だだ、身長差がありすぎて下手したらもう白目を向いているかもしれない。
「そんなに警戒しなしても何にもならない。ついてくればいいだけだから」
ついてこればいい?
こんな怪しい奴に?
無理無理無理っ
明らかに怪しいやつじゃん
絶対についていかないんだから。
「ごめんなさい、私もう帰らないとなので」
そう一言だけ言い残しと帰ろうとくるりっと周り歩きだそうとする。
するとぐいっと右腕を後ろから掴まれた。
驚いて振り向くとさっきの人が私の腕を掴んでいた。
「何帰ろうとしてんの?逃さないから」
それだけ言うと、私の意見なんか無視して私を引っ張り出した。
はぁ!?なんなのこの人?
私靴なんだけど……
流石に靴で学校に入る訳にはいかないのでなんとか片手で靴を投げ捨てる。
なんなの本当に!?
自分勝手すぎでしょ!?



