夜ご飯を作ってくれたのはこの為かっ
「辛すぎっ」
私は思いっきり水を飲んだ。
それでも辛さは治らなかったので他の料理で紛らわそうと思い、肉じゃがを口に運ぶ。
「かっらっ」
「あははっやばいっこんな簡単にどんどん食べてくれるなんてそんなうまかったか?」
笑いすぎて涙目になっている秋君に殺意を覚えながらも辛さに負け、キッチンへと走る。
何か辛さを紛らわすものっ
あっこれいいじゃん
「うまっ」
私が手に取ったのはきゅうり。
みずみずしくて美味しい。
どんどん辛さが引いていく。
「はぁーなんとかなった……」
きゅうりを頬張りながらリビングに戻るとツボに入ったのかまだ秋君は笑っていた。
こいつ……
「あっおかえりー」
私が戻ってきたのに気付いたのか目に溜まった涙を右手で拭いながら楽しそうにしている。
私は辛くて泣いていて、こいつは笑いすぎて泣いてこんなにも惨めな事があるんだろうか……
もう怒るのも面倒くさくなり、テーブルの前に座る。
「まだ食べるのか?」
違うわよ
「あんたの前に置いてある料理とって」
「なんで?」
「どうせ、そっちのは辛くないんでしょ」
秋君は図星を突かれたのかうぐっと言葉に詰まっていた。
「はやくっ」
私が急かすと渋々秋君の前に置いてあった料理を渡してくれる。
秋君の方に置いてある方の料理食べてみる。
まず初めはポテトサラダ。
少しめの量を取り口に運ぶ。
「う、うまっ」
やっぱり秋君の方に置いてあった料理は普通だったらしくとても美味しかった。
「そう?」
「うん!」
褒められた事が嬉しかったのか少し照れくさそうに笑った。
普通にしてたら可愛いのに……
と、秋君の性格に落胆しつつ料理を楽しんだ。



