こんなに静かでただ歩いているだけなのに終わってほしくないとすごく思う。 「好きだよ、秋君……」 私は秋君には聞こえないくらいの声でぼそっと呟く。 「なんか言ったか?」 案の定秋君まで声は届かなかったみたい。 「うんんっなんでもないっ」 私は満面の笑みで秋君の方を向いた。 すると秋君は「あっそ」といい歩くのを早めた。 「ちょっとなんで早く行くのよっ」 私がそう言ってもスタスタと歩いて行ってしまう。 もうっ そう思いながら私は秋君の背中を追った。 「俺も好きだよ、凪音……」