それから有言実行というか毎日秋君はお見舞いに来てくれた。
なんだか申し訳なるくらいずっといてくれたよね。
家から私服を持ってきてくれたり、オレンジジュースを買ってきてくれたりりんごを剥いてくれたり本当に世話を焼いてくれた。
「今日で退院だよな」
今日もいつものようにお見舞いに来てくれていた秋君がみかんを剥きながら言った。
「うんっ」
秋君が来てくれなかったら孤独死していたかもっ。
「失礼します」
コンコンコンッとノックをし中に入ってきたのは私を担当してくれていた先生。
心臓の音を聞いたり他に異常がないかを確かめてくれる。
「うん、大丈夫そうですね問題なく今日退院してもらって構いませんよ」
にこっと目尻にシワを寄せ優しく笑ってくれる先生が神様に見えた。
「ありがとうございますっ」
良かった、今日退院できて。
特に何か用事があったわけじゃないけど、夏休み中に退院できなかったら相談に答えられないからそれだけは避けたかった。
ではっと軽く会釈をし病室を出て行った先生に私も会釈を返した。
「何時に帰れるんだ?」
私の荷物をまとめながら顔だけ私の方に向けそう言う秋君。
わ、私の荷物をまとめてくれるのはありがたいんだけど服はちょっとやめてくださいっ
右手を伸ばし秋君の動きを止めながら考える。
多分夕方くらいかな?
「多分午後六時くらいには帰れると思う」
「……そうか、じゃあ俺帰るわ」
一瞬考えるような顔をした秋君はなぜかそっけなく帰ると言ってさっきまとめた荷物を肩にかけながら病室を出て行った。
どうしたんだろ?
そう思ったが私も退院する準備を始めたかったので考えるのをやめた。
帰ったら会えるしね!



