今この病室に残ったのは会長と私の二人。
私が入院していた病室は個室だったから二人きりになった。
「目、覚めてよかった」
「ありがとうございます」
私と会長は普通に色々話をしたりする事があったから別に気まずくなるとかはなかった。
「ごめんな、俺が柚弦を無理やりお前の家に行かせたんだ」
えっ?
突然のカミングアウトにびっくりして目を見開いた。
「あいつさ中学一年の時父親を失って母親が入院して、でも母親は二、三ヶ月で退院したらしいんだ」
そうだったんだ、私は入院しているって聞いていたから。
秋君が教えてくれた事と、若干ずれている事を気にしつつ会長の話を聞く。
「退院してからあいつの母親は変わったんだ」
「変わった?」
「父親が死んだのはお前のせいだって言われて殴られてたんだ」
えっ?
「それから私にはもうあなたしかいないのとか言って妙に柚弦に執着したり、とにかくやる方が矛盾だらけだったんだ」
何それ、酷すぎる……
「じゃあ秋君はお母様に……」
「"虐待"されてたんだ」
そんなことがあったなんて……
秋君からお母様のお話し、というか家族の話を聞いたのは一緒に家具を見に行った時以来。



