「あの、秋君とはどのようなご関係なんですか?」
お茶を用意してお盆に乗せてリビングに運んでいる最中、気になったので聞いてみた。
人の関係を部外者が聞くのはよくないのかもしれないけどなんとなく気になってしまって。
「私の息子なんです」
「えっ!?」
秋君のお母様!?
びっくりしすぎて机に置こうと思っていたお茶を溢しそうになった。
「最近、あの子全然連絡くれなくて」
悲しそうに言うお母様に私は疑問を抱いた。
お母様は事故に遭って入院していたって聞いてたんだけど。
もしかして最近退院されなとかな?
「そうなんですか」
秋君からお母様の話を聞いたのは買い物に行ったあの日だけ。
それ以外お母様の話なんて聞いた事がなかった。
「実は私あの子が中学生の時事故に遭いまして、それで入院をして、だからあまりコミュニケーションがとれていなくて」
昔のことを思い出しながら後悔しているかのように話すお母様を見て胸が痛んだ。
「帰ってきたらちゃんとお話しできるといいですね」
「はいっ」



