柚弦達がどこかに行ってしまった後、俺達はどうしようかと悩んでいた。
「探しに行く?」
「でもこの人混みじゃ……」
ここには結構な人がいる。
探しに行くのは難しいだろ……
「じゃあせっかくだし僕達も別々でまわろっか!」
俺の方を向きながらウインクをした悠希に正直俺は礼を言いたくなった。
今日の祭りは夢月とまわりたいと柄でもない事を思っていたから。
「いいんじゃねーの」
気を利かせてなのかは知らねーがこれはありがたく使わせてもらう。
俺が賛成すると夢月はびっくりしたようだったがすぐに笑顔になった。
「じゃあまた後で」
ひらひらと手を振りながら副会長とやらを連れて行きどこかに行ってしまった悠希達。
「じゃあ私達も行こっか!」
先に行った二人が見えなくなると夢月は俺の方を向きながらどこに行こうか悩んでいる様子だった。
可愛い……
って何思ってんだ俺はっ
今日の俺どうしちまったんだよ。
夢月の浴衣姿を見てからというもの俺の考えは正常ではなくなっている。
ま、まぁ好きなやつと一緒に祭りに行ける時点で俺の頭は正常じゃないけど。



