「着いた」
歩いている途中一言も話さなかった秋君がやっと口を開いた。
お祭り会場からそこまで歩いてはいない。
あそこから近い所にこんな場所があったなんて知らなかった。
ここは見通しがよく、下には海が広がっていた。
「なんとか間に合ったか」
間に合ったって事は……
今時間を気にする理由はただ一つ。
「ここでお前と見たかったんだ」
私と?それってどういう……
秋君に聞き返そうとしたらそれと同時にものすごい音が私の鼓膜を揺らした。
ドカーンッと一発目の花火か上がったのだ。
「すごい、綺麗……っ」
それからどんどん花火が上がっていき、迫力も上がっていった。
もっと前で見ようと思い秋君の隣に行く。
「ここに来てよかっただろっ」
ニカっと笑う秋君の笑顔は花火に照らされ輝いて見えた。
「うんっ」
それから2人で花火を見た。
全ての花火を私達二人が占領しているのではないかと錯覚するぐらい私達の周りには誰もいない。
秘密の花火スポットだと思う。



