中に入ると案の定というかわかってはいたけど、人がものすごくいた。
「これははぐれるな……」
「どうする?」
「まぁ、とにかく歩こう」
毎年こうだけど、いつも大変だなぁと思う。
人混みに流されないように歩こうと思っていると誰かに手を掴まれた。
えっ誰?もしかしてさっきのナンパ男?
びっくりして後ろを振り向こうとしたら誰かに当たってしまい体がよろめく。
やばっ……
倒れるっ思ったが思いっきり後ろに引っ張られた。
「うおっ」
引っ張ったのはさっき私の手を掴んだ人だと思う。
引かれた勢いで飛びそうだったが誰かが受け止めてくれた。
「おまっ大丈夫か?」
頭上から声がし上を見るとそこには秋君の姿が。
「秋君……!?」
じゃあさっき私の手を掴んだのも引っ張って助けてくれたのも秋君だったの?
「ちょっとこっちこい」
「う、うん」
来いと言われても手を掴まれている、というか握られているから後ろを歩くしかない。
秋君のされるがままになっていると人の少ない所に誘導してくれた。
「ちょっとここで休め」
私を気遣ってなのか、ベンチに座らせてくれる。
「ありがとう」
「別に」
秋君も私の隣に座り横並びになった。
「悪かったなお前の手掴んで、なんかこけそうだったから」
申し訳なさそうにしながら謝ってくる秋君はものすごく気遣いができるなと思った。
「うんん、全然っありがとう私秋君に引っ張ってもらわなかったら潰されてたから」
「なんだそれっ」
クスッと笑った顔はものすごく年相応に見えた。



