「あれは、絡まれてる凪音が見えたからで……」
恥ずかしそうに俯きながら言った秋君がなんだか可愛く見えた。
「ふーん」
にやにやしながら右手を口元に添えしめしめいう顔をしている先輩。
「な、なんだよ」
「いや〜別に〜」
「あっそ」
秋君には何がなんだかわからなかったらしく、もう諦めてしまった。
私もわからないけど……。
「さぁ、みんな揃った事だし早速屋台見よ!!」
「いやいやいやっその前に気付くことは!?」
屋台にやたら目が行っている火野さんの態度に耐えきれなくなったのか人差し指をビシッと火野さんに突き立てツッコミを入れた先輩。
「なんだよ」
「いやっ別に、わからないならもういいし……」
最後らへんを濁しながら寂しそうに先輩は呟いた。
そんな先輩の姿を見て火野さんは何かを思い出したように先輩に近づいた。
「可愛よ、今日の夢月は」
「な……っ」
先輩の全てを見透かしたように微笑みながら先輩の頭の上に手のひらを置きわしゃわしゃと撫でる火野さん。
火野さんのが何枚かうわてだったようだ、
先輩はまさかこんなにもストレートに言ってくるとは思っていなかったよか顔を赤く染めていた。
一方火野さんは勝ち誇ったような目線を先輩に投げかけている。
「はっ何赤くなっちゃってんの、冗談に決まってんだろ」
はっと鼻で笑いながらバカにしたような口調の火野さんに先輩が詰め寄る。
「そっちもそっちじゃない、急に褒め出してなによ私は別にそんな事望んでなかったわよっ」
「んだよと?お前が言って欲しそうだったから仕方なく言ってやったんじゃねぇーか」
「どういう事よっ」
いつも通りの二人に若干残っていたさっきの恐怖心がかき消された。



