お祭り会場に着くと、ものすごい人がいた。
ってか、集合場所はどこなんだろう?
実を言うと私は集合場所を知らない。
こんなにも人がいたら集まるのは大変だ。
「あれっどこだっけ集合場所……」
「えっまさか忘れたんですか?」
「じ、実はそうだったりして……」
あはは……と乾いた笑みをこぼしながら先輩の目は泳ぎきっていた。
どうしよう、私は集合場所しらないし多分芽沙も知らない。
どうしたものかと頭を悩ませていると芽沙が閃いたようにポッケに入っていたスマホを取り出した。
「そういえば私、会長と連絡先交換してました」
「本当!?じゃあ連絡とってくれないかな?」
「了解です!実は初めてかけるものでして、緊張するっ」
連絡先はこれから生徒会の事で何かあったら連絡できるようにって事で交換したらしい。
緊張した様子の芽沙を、私と先輩で見守りながら芽沙が電話をかけるのを待った。
「じ、じゃあかけますっ」
今から死にに行くのだろうか?と疑いたくなるほどの緊張感が辺りを覆った。
周りは賑やかなはずなのに私達の空間には電話のコール音だけが鳴り響く。
「あっもしもし会長、今どこですか?えっもうそんな所に?あぁそういう事ですか、えっと私達は今祭り会場の入り口付近にいますっあっ本当ですか!ありがとうございますっ」
楽しそうにしながら会長と通話する芽沙を見てこっちまで口角が上がった。
それじゃあと言って電話が終わったであろう芽沙はもう少し話したかったのか名残惜しさを顔に出しながらもスマホを耳から離した。
「こっちに来てくれるらしいですよっ」
「本当!?よかったー」
「ありがとね、芽沙っ」
「いえっ私一回でもいいから会長と通話してみたくてっ」
「そっか!」
嬉しそうに笑う芽沙を見てやはり恋の力はすごいのだの実感した。
「じゃあ待てばいいんだよね?」
「はいっ」



