「行ってきますっ」
「お邪魔しました」
「ありがとうございましたっ」
「楽しんできてくださいっ」
玄関で先輩のお母さんに見送ってもらい三人急足でお祭り会場へと向かった。
「遅いよーやはくー」
下駄を履きながらも思いっきり走って行く先輩に私と芽沙は置いてかれていた。
「待って、速すぎっ」
「せっかく可愛くしてもらったのに崩れちゃうっ」
そう、何時間もかけて頑張って支度したのにこんな爆走したら崩れてしまう。
こういう所だけ先輩に男気があるのはなぜ?
はぁと深いため息が溢れそうになり慌てて背筋を伸ばした。
今日は楽しみに行くんだからため息なんてついちゃダメだよね!
「よし、芽沙行こっ」
くたくたになっている芽沙の手を引き2人で先輩の所まで走っていく。
「やっぱ、はやっ」
息を切らしながら後ろで芽依沙が呟いた。
「頑張って〜」
前からは先輩の呑気な声が聞こえてくる。
なんで、こんなにも真逆なの……
先輩のテンションの高さと芽沙の大変さがどちらも一気に感じられ、私の気がめいってしまう。
もうっみんな自由すぎるんだからっ
「ほらっ頑張って会長が待ってるよー」
「ん?会長……?」
私が出した会長というワードに反応し、まるで取り憑かれたかのようにビュンッと走っていってしまった。
会長パワーすごっ
愛の力かな?
心の中で突っ込みながら私は2人の後を追った。



