あら。
あらら。
くるくる。
視界が、視界が宙を舞う。
うそ。
あたし、抱っこされてる?
自分より小柄な子に?
──ううん、ちがった。
どうやらあたし、「写真に閉じ込められた」みたい。
うーん。
不覚。
なんという屈辱。
ヒトの子に勝負で──不意打ちとはいえ──ボロ負けした上に、写真に封じられるなんて。
はあ。
これじゃあ口裂け女の風上にも置けないわね。
『で。言うことってサ、なによう』
「まだ秘密。あとで話すよ」
勿体ぶっちゃって。
でもでも、ポニーテールの子はそんなのお構い無しにあたしを、あろう事かポケットに仕舞ってしまった。
そのまま夜道を独り歩いて行く。
きー、くやしい。
この口裂け女さまが勝負でニンゲンの子供に遅れをとるなんて。
はあ。
なんのために四十年生きてきたのか。
なんのために四十人食べてきたのか。
あ、でも。
今気がついた。
いつもずっと立ちっぱなしの、この錆びたバス停から離れられたの。
──今日が初めてかも。
◇
あらら。
くるくる。
視界が、視界が宙を舞う。
うそ。
あたし、抱っこされてる?
自分より小柄な子に?
──ううん、ちがった。
どうやらあたし、「写真に閉じ込められた」みたい。
うーん。
不覚。
なんという屈辱。
ヒトの子に勝負で──不意打ちとはいえ──ボロ負けした上に、写真に封じられるなんて。
はあ。
これじゃあ口裂け女の風上にも置けないわね。
『で。言うことってサ、なによう』
「まだ秘密。あとで話すよ」
勿体ぶっちゃって。
でもでも、ポニーテールの子はそんなのお構い無しにあたしを、あろう事かポケットに仕舞ってしまった。
そのまま夜道を独り歩いて行く。
きー、くやしい。
この口裂け女さまが勝負でニンゲンの子供に遅れをとるなんて。
はあ。
なんのために四十年生きてきたのか。
なんのために四十人食べてきたのか。
あ、でも。
今気がついた。
いつもずっと立ちっぱなしの、この錆びたバス停から離れられたの。
──今日が初めてかも。
◇

