【完結】きぃ子ちゃんのインスタントカメラ

「あ?」

 振り返ると、ポニーテールの女の子がいる。
 年のころはあたしより少し下くらい。

「おばさん……だって?」

 あーあー。

 たまにいるんだよねえ。
 あたしのこと、なんにも知らないで話しかけてくる、バカなお子さまが。

 それにしても、ひどいよね。
 あたしまだ十五だよ。

 これはちょっと。
 キツーい、おしおきが必要みたいね。

「ふ、ふふ。そうさ。おばさんだよ」

 マスクをこうやって大げさに外して。
 耳まで裂けたこの口で。
 ひと呑みにしてやる。

「ところで、ねえ、あんた。どう? あたし、きれいで──?」
「じゃーんけーん……」

 え。

「ぽんっ!」

 唐突(とうとつ)にポニーテールの子がチョキを出した。
 だからあたしも、とっさにじゃんけん出しちゃったじゃん。

 パー、だった。

「えいっ」

 目にも止まらぬ速さでその子は白い何かを縦一文字(たていちもんじ)に振り下ろした。
 乾いた音が夕方の町に響く。

「ぐえっ」

 痛ったー!
 なんか、ハリセン?
 みたいなので殴られたーっ?

 頭がごんごんずきずき、まるでトンカチで殴られたみたい。

「おのれ、ヒトの分際で……」
「じゃーんけーん」
「!」

 また、この子!

「ぽんっ! えいっ!」

 スパーン!
 ぐあーっ。

 お、おかしいわっ。
 なんか、このハリセン、異常に痛いんですけどっ?

「じゃーんけーん……」
「……っ!」