『だめだっ』
きぃ子ちゃんが語気を荒げる。
『それでは何のために三人の命をきみに注いだのか。すべてが水の泡になってしまうんだぞ!』
「でも、僕はもう嫌なんだ。誰かが僕のために死ぬのも。何より、寂しい思いをするのも」
『しかし……』
『あのう、ちょっといいかな』
リュックの中の口裂け女さん──瞳さんが僕たちの間に割って入った。
『あたしの命、使いなよ』
「えっ」
予想外の言葉に、僕もきぃ子ちゃんも声を上げる。
『あたし、長くお化けやってるけどサ、こんなに楽しかったこと今まで無かったんだよ』
「瞳さん……」
僕は言葉が詰まった。
『うん、はなこのもー、つかっていいよー』
『ぼくのでよければ』
『力に、なりたいな』
みんな、口々に協力を申し出てくれた。
命を賭けるというのに。
まるで放課後の「遊び」に参加するみたいな、そんな明るいノリで。
「……みんな……ありがとう」
涙が、出てきた。
『ふふ』
瞳さんが笑う。
『ほら、これでもう寂しくないでしょ。だから、ね。泣かないで』
エレベーターはお姉ちゃんの眠る五階に着いた。
「さあ、行こう」
僕は一歩、エレベーターから踏み出した。
◇
きぃ子ちゃんが語気を荒げる。
『それでは何のために三人の命をきみに注いだのか。すべてが水の泡になってしまうんだぞ!』
「でも、僕はもう嫌なんだ。誰かが僕のために死ぬのも。何より、寂しい思いをするのも」
『しかし……』
『あのう、ちょっといいかな』
リュックの中の口裂け女さん──瞳さんが僕たちの間に割って入った。
『あたしの命、使いなよ』
「えっ」
予想外の言葉に、僕もきぃ子ちゃんも声を上げる。
『あたし、長くお化けやってるけどサ、こんなに楽しかったこと今まで無かったんだよ』
「瞳さん……」
僕は言葉が詰まった。
『うん、はなこのもー、つかっていいよー』
『ぼくのでよければ』
『力に、なりたいな』
みんな、口々に協力を申し出てくれた。
命を賭けるというのに。
まるで放課後の「遊び」に参加するみたいな、そんな明るいノリで。
「……みんな……ありがとう」
涙が、出てきた。
『ふふ』
瞳さんが笑う。
『ほら、これでもう寂しくないでしょ。だから、ね。泣かないで』
エレベーターはお姉ちゃんの眠る五階に着いた。
「さあ、行こう」
僕は一歩、エレベーターから踏み出した。
◇

