【完結】きぃ子ちゃんのインスタントカメラ

 数瞬(すうしゅん)、何を言っているのかわからなかったけれど、目を見てすぐにわかった。……そう。

 あさぎは、ゲームに勝つ気がないということを。

 まるばつゲームは、まともにやれば決して勝敗の決まらないゲーム。
 勝負は、必ずあいこになる。つまりそれが意味することは……。

「もう、終わりにしましょ、安西さん」
「え?」
「わかっちゃってたの、私。ずっと前から。あなたが二年前、はじめからたいよう君を贄としていたって」
「なん……で」

 そう答えるのがやっとだった。

「あなたのあお君を見る目を見てたから。私もね? 安西さんと同じで『見える』んだよ。安西さん程じゃあないかもしれないけれど」
「だめだよ、あさぎ」

 わたしは、必死で忠告する。自分は冷静であることを装って。

「あの術は反魂術。呼び戻すためには必ず贄がいるんだ」
「わかってる……もちろんわかってるよ」

 でも、あさぎは食い下がって話を聞いてくれない。

「だから今回もわたしが負けさえすれば」
「だめよ、それはだめ」

 静かに、落ち着いた口調であさぎは告げた。

「私の命を、贄にするの。それで、おしまい」

 わたしは、口が乾いて乾いて。言葉が出ない。

「──安西さん、あおの事、お願いね」

 主導権を握るはずが、すべてあさぎのペースに巻き込まれ……。

 気が付いたら、大の親友だった女の子は、机に突っ伏して動かなくなっていた。

 恐る恐る手元のまるばつゲームを見る。
 私はその時になって初めて知ったんだ。

 勝てないはずのまるばつゲームに、わたしが勝ってしまっていた、そのことを。