【完結】きぃ子ちゃんのインスタントカメラ

 既読:あつまったかい。

 あさぎ:あつまったよ。全部集めた。

 既読:よくがんばったね、あさぎ。

 あさぎ:それで、いつにする? 今日?

 既読:今日は太陽と月の位置がよくない。本当は十四日待ちたいところだけど。

 あさぎ:そんなに待てないよ。

 既読:そうだね。そうだよね。ふむ、じゃあ今月の二十日。五月二十日の金曜日にしよう。

 既読:放課後、帰らないでクラスで待ってて。

 あさぎ:わかった。二十日ね。待ってる。



 数日後、あさぎはわたしが指示した通りの物を持ってきてくれた。
 あとは「偽の」陣取り合戦を仕立てて、あさぎを納得させられればわたしの勝ち。

 わたし、人の心が少し読めるの。
 だからじゃんけんくらいなら、相手が何を出すのか把握(はあく)できた。

 陣取り合戦は「狙い通り」あさぎの勝ち。
 つまり。

 透視ゲームはわたしが──勝ったんだよ。



 計画通り、わたしの大切な弟の命をひとつ消費して、きみは生き返ってくれ、あさぎの心も欺くことができた。
 あとは二年間、あさぎに隠し通せばいい。

 二年後にもう二年延長するための贄は、もう決めていた。
 わたしだよ。

 わたしの命を贄に、あお君を延命しようと。

「ねえ、残りの二年間で、あさぎだったら、何をしてあげるんだい?」
「たくさんのお友達を作ってあげたい」
「友達って……二年で終わってしまうのに?」
「ううん、いいの。寂しいのは、いやでしょう?」
「……そうだね。うん、寂しいのは、いやだ」



 計画は誰にも知られることなく順調に進んだ。

 私の反魂術の影響で、両家族に記憶の改ざんが起きて、「あさぎも含めて」みな事故のことを忘れてくれた。

 好都合だった。
 これで二年後、わたしはあお君のために死に、もう二年延命できる。

 全ては順調。わたしの(てのひら)の上できみはのびのびと、お姉さんと生きてくれた。

 二年後、あさぎが思いもよらないことを言う、その時までは。