【完結】きぃ子ちゃんのインスタントカメラ

 病院に着くと、お母さんに、あさぎと、きみのお母さん、三人が待っていた。お母さんは泣いていた。

 わたしはそこで初めて、きみが四十五分、たいようが一時間もの間救助されなかったのを聞いた。
 わたしもあさぎも、まだ今のきみと同じ五年生だったけど、なんとなくヒトが息を止めていられる時間くらいは、習ってなくても知っている。

 それにわたしとあさぎはね、見えるんだ。
 普通に生きていると、決して見えないものが。
 それはわたしの家が神社で、あさぎの家がお寺だったからかもしれない。

 ともかく、見えたんだ。
 そして、すぐに理解ができたよ。

 このままじゃ、どちらも絶対に助からない、って。

 透視ゲームみたいなものだよ。
 ぼんやり見える。
 あとはその輪郭(りんかく)をどれだけ正確に見極められることができるか、さ。

 見極められるのが、わたしが先か、あさぎが先か。

 わたしの方が、あさぎよりずっといい目を持っていた。
 だから。
 たいようの方が、より死に近い、それが分かった。
 だから。

 わたしはあさぎに持ち掛けた。
 透視ゲームという名の賭けを。

 ──たいようの命を(にえ)にして、あお君。きみを呼び戻そうと。

 彼女には決して内緒で、わたしはひとり、そう決めたんだ。