「隣の部屋?」
お鈴ちゃんは何を言っているんだろう。
僕の隣の部屋は、生まれた時から倉庫代わりの物置で……。
『実際に見てみるといいよ』
きぃ子ちゃんが優しい、とてもやさしい声で促す。
僕はきぃ子ちゃんの写真を手に取ると、今日初めて布団から立ち上がって、ふすままで歩いた。
そしてそれを、ゆっくりと開けた。
思ったよりそれは軽くて、思ったよりそれは簡単だった。
◇
隣の物置までは四歩でつく。重たい色をした木の引き戸は、見たまま重たくて、固くて。
「んー!」
どんなに力いっぱい引いても、びくともしない。
「だめだ、開かないよ。この扉はずっと前から建付けが悪くて、大人でもなかなか開かなくて」
『本当に開かない? 本当に重たい扉かな?』
「? 何を言って──」
僕がポケットに仕舞ったきぃ子ちゃんの写真からもう一度扉を見ると。
あさぎの部屋。
「え?」
さっきまで重たい木の扉だったそれは、僕の部屋と同じ柄のただのふすまで、可愛い文字が書かれたネームプレートまでかけてある。
「なんで? え? これって……」
「開けてごらん」
きぃ子ちゃんは静かに言った。
信じられない。
ここは生まれてから今日まで十一年間ずっと物置だった。
それが見知らぬ誰かの部屋で、しかもその誰かは自分のお姉ちゃんだという。
そして今、目の前にはそのお姉ちゃんの部屋がある。
僕は、恐る恐るふすまを開けた。
お鈴ちゃんは何を言っているんだろう。
僕の隣の部屋は、生まれた時から倉庫代わりの物置で……。
『実際に見てみるといいよ』
きぃ子ちゃんが優しい、とてもやさしい声で促す。
僕はきぃ子ちゃんの写真を手に取ると、今日初めて布団から立ち上がって、ふすままで歩いた。
そしてそれを、ゆっくりと開けた。
思ったよりそれは軽くて、思ったよりそれは簡単だった。
◇
隣の物置までは四歩でつく。重たい色をした木の引き戸は、見たまま重たくて、固くて。
「んー!」
どんなに力いっぱい引いても、びくともしない。
「だめだ、開かないよ。この扉はずっと前から建付けが悪くて、大人でもなかなか開かなくて」
『本当に開かない? 本当に重たい扉かな?』
「? 何を言って──」
僕がポケットに仕舞ったきぃ子ちゃんの写真からもう一度扉を見ると。
あさぎの部屋。
「え?」
さっきまで重たい木の扉だったそれは、僕の部屋と同じ柄のただのふすまで、可愛い文字が書かれたネームプレートまでかけてある。
「なんで? え? これって……」
「開けてごらん」
きぃ子ちゃんは静かに言った。
信じられない。
ここは生まれてから今日まで十一年間ずっと物置だった。
それが見知らぬ誰かの部屋で、しかもその誰かは自分のお姉ちゃんだという。
そして今、目の前にはそのお姉ちゃんの部屋がある。
僕は、恐る恐るふすまを開けた。

