【完結】きぃ子ちゃんのインスタントカメラ

 こつん。
 何かが足に当たった。
 ──そうか、これがあれば!
 僕は、「少し早いけど」それを手に取った。そして夕焼けの公園を全力で走り出した。

「!」

 ばれたっ! 今しかない!

「きぃ子ちゃん!」
「あっ! だめ──」

 くらえ! ひっさつ、閃光攻撃!
 ぱしゃり。インスタントカメラのフラッシュできぃ子ちゃんの目がくらむ。今だっ!

「缶けったー!」



 不規則な音を立てながら転がっていった真っ赤なコーラの缶は、勢い余って公園の入り口を超えて、外の道路へ飛び出した。
 ちょうどそこを見覚えのある人が歩いていて、その足に当たって、音を立てて止まった。

「おお、あおか。もう六時半だぞ。……ところで」

 お父さんは赤いコーラの缶を拾って、そうしてこう続けた。

「ひとりで缶なんてけって、なにしてる」

「え……?」

 僕は、視線を落とした。
 口裂け女さんにトイレの花子さん。
 お化けたちの写真に交じって。

 ──きぃ子ちゃんが寂しそうに写る写真が、足元に落ちていた。

『ごめん。ごめんよ、きみ。ごめん──』

 涙を浮かべて、写真の中のその子は謝った。
 何度も、何度も。