【完結】きぃ子ちゃんのインスタントカメラ

 円の外のきぃ子ちゃんが叫んだ! お、見つかったか?

「トイレの花子さん、みーっけ!」

 そう叫びながら、三メートル後ろの缶を瞬時に踏んだ。

「もぉー、きぃこちゃんつよすぎぃー」

 花子さんは、相変わらず間延びした口調で、アスレチックの下から這い出てきた。

 これで三人が捕まってしまった。
 さすがの口裂け女さんも警戒しているのか、膠着状態(こうちゃくじょうたい)、動けなくなってしまった。

 その間にも、どんどんお化けたちは捕まっていく。
 きぃ子ちゃんのオニは、他の誰よりも上手で、誰よりも最強なのだ。

 試合開始から十五分が経ったころ。もう残るのは僕と、お化けでは口裂け女さんだけだ。

「ふふふ、もうわたしの勝ちはほぼ確定だよー? 早く出てくるんだねー!」

 きぃ子ちゃんが早くも勝利の宣言をあげる。
 とっても楽しそうだ。

 いつになく楽しそうで、いつになく幸せそうだ。

 だからさっきからずっと、不安だった。
 どうして今日は、そんな風に笑うんだろう。

 しかし、そんなきぃ子ちゃんを我らが口裂け女さんは見逃さなかった。
 十メートル背後から、きぃ子ちゃんから二メートル離れて置かれた缶目指して、猛烈(もうれつ)なスピードで駆け出した。

 ……速いなあ。あの脚力(きゃくりょく)から僕は逃げていたのかと思うとぞっとする。

「はっはっはー! 缶、けったー!」
「!」