【完結】きぃ子ちゃんのインスタントカメラ

「みんな、来てくれてありがとう! それできぃ子ちゃん、今日は何して遊ぶー?」
「その前に、はい、これ。プレゼントだよ」

 はい。そう言ってきぃ子ちゃんが首から外して渡してきたのは。

 インスタントカメラだった。

◇

「え……」

 なにそれ? なんで? ぼくはわからない。

 きぃ子ちゃんは笑っている。
 僕は、何も言えずにカメラを受け取ると。

「あ、まだ駄目だった! わたしに今日の勝負で勝ってからだった!」

 そう言って、あわてて僕からまたそれを取り上げた。

「……ねえ、きぃ子ちゃん。なんで」
「わー、つきもりくーん、あした、おたんじょうびなのー?」

 トイレの花子さんが嬉しそうに食いつく。
 いいなー、ぼくもー。お化けたちがわらわら集まってきた。

「ね? 楽しいでしょ。お友達といると」
「う、うん……」

 きぃ子ちゃんは相変わらず嬉しそうだ。
 でも、僕は彼女がそうすればそうするほど、心の中がざわざわした。

「きぃこちゃん、きょうはなにするのかい」

 座敷童くんが待ちきれないように聞いた。

「今日は、これ」

 そう言ってカバンから出したのは、見慣れたコーラの赤い缶。ふりふりと左右に振って見せる。

「缶けり、しましょ」

 にこっ。
 すごくまぶしい笑顔で笑う。

 まただ。
 いつもそうだけど、今日は一段と、なんだかすごくかわいく見える。

 だから僕は不安だ。
 いつもより。とても。

◇