【完結】きぃ子ちゃんのインスタントカメラ

 午後四時二十七分。
 四十二個の点を全て結び終わるまでに三十分以上かかった。それでも。

「終わったね。じゃあ、数を数えよう」

 ひとつ、ふたつ。
 時間がゆっくりになる。
 世界の。安西さんの。私の。

 みっつ、よっつ。

「ねえ、残りの二年間で、あさぎだったら、何をしてあげるんだい?」

 いつつ、むっつ。

「たくさんのお友達を作ってあげたい」

 ななつ。やっつ。

「友達って……二年で終わってしまうのに?」

 ここのつ。とお。

「ううん、いいの。寂しいのは、いやでしょう?」

 じゅういち。じゅうに。

「……そうだね。うん、寂しいのは、いやだ」

 静かに、静かに安西さんは同意してくれた。

「はい。数え終わったよ」

 びっくりした。
 彼女がそう宣言するのと、スマホがけたたましく着信音を鳴らすのは同時だったから。
 ……この着信音、私のスマホじゃ、ない。

「もしもし」

 安西さんが私に背を向けて応答する。
 うん。うん。
 どんどん声のトーンが落ちていく。

「そう、たいようが。わかった、すぐいく」