「はんこんじゅつ?」
何も知らない私がぽかんとしてると、安西さんは続けた。
「死んだ人を呼び戻すための、儀式」
「死んだって……まだ決まった訳じゃ」
「生き延びられるなら、それでいいんだ。生きてる魂には効かないから。でも万が一死んじゃったら……」
「そんなの嫌だよ!」
静かな病院の廊下。
私の叫び声がひびく。
安西さんもこくりとうなずいた。
「大丈夫、あさぎ。私もだからね。だから、持ってきてほしいんだ」
「わかった! それがあれば死んじゃっても平気なのね?」
「……あさぎ。この世の中に万能の術はないんだよ。期限があるんだ。呼び戻していられるのには」
期限……私は何かとても嫌な感じがして、口の中が苦くなった。
どれくらい、と私が聞くと。
「二年と言われている。それから」
「それから?」
彼女はしばらく黙った後、口を開いた。
「どちらも、は助けられない。この反魂の術で呼び戻すためにはどちらかを贄にしないといけない。つまり……■■君か、たいようか。呼び戻せるのは片方だけなんだ」
◇
何も知らない私がぽかんとしてると、安西さんは続けた。
「死んだ人を呼び戻すための、儀式」
「死んだって……まだ決まった訳じゃ」
「生き延びられるなら、それでいいんだ。生きてる魂には効かないから。でも万が一死んじゃったら……」
「そんなの嫌だよ!」
静かな病院の廊下。
私の叫び声がひびく。
安西さんもこくりとうなずいた。
「大丈夫、あさぎ。私もだからね。だから、持ってきてほしいんだ」
「わかった! それがあれば死んじゃっても平気なのね?」
「……あさぎ。この世の中に万能の術はないんだよ。期限があるんだ。呼び戻していられるのには」
期限……私は何かとても嫌な感じがして、口の中が苦くなった。
どれくらい、と私が聞くと。
「二年と言われている。それから」
「それから?」
彼女はしばらく黙った後、口を開いた。
「どちらも、は助けられない。この反魂の術で呼び戻すためにはどちらかを贄にしないといけない。つまり……■■君か、たいようか。呼び戻せるのは片方だけなんだ」
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